●10日、東京に突然猛烈な風が吹き荒れ、地面から舞い上げられた細粒物質によって、都内は煙霧に包まれた。日本の各メディアは、この煙霧は中国から飛来した黄砂が原因との見方を示したが、気象庁はこの見解を否定した。
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サーチナニュース 2013/03/11(月) 14:14
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0311&f=national_0311_032.shtml
「煙霧現象を中国のせいにした」
…日本メディア批判チグハグ
中国紙環球時報は11日、
「日本メディアは根拠もなく中国の黄砂が東京を襲撃と誇張。
気象部門は否定」
とする記事を報じた。
10日に首都圏を襲った「煙霧現象」を根拠もなく中国のせいにしたと日本メディアを批判した。
中国の環境問題が日本国民にどれだけ不安を与えているかとの視点はなく、事実関係にも誤認がある。同記事について考えてみた。
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(記事主旨)
中国がスモッグや黄砂で困惑し続けているとき、隣国の日本も同様の問題に遭遇した。
東京地区で10日、大風が吹き巻き上げた砂塵(さじん)が都市を混乱させた。
日本メディアはこの種の天気を中国の影響と認識した。
日本の気象部門はその後、この種の言い方を否定した。
「環球時報」の記者は、当時ちょうど、千葉県内で自動車を運転していた。
この目で空が黄色くなるのを見た。耕作地の上空では土ぼこりが待っていた。
報道によると、新幹線も徐行し25分遅れとなった。
これは新幹線が運行を開始して以来、最もひどい遅れだった。
日本における突然の天気の変化を、多くの人(日本人)は中国がもたらしたものと考えた。
この種の誤解は主に、日本のメディアが根拠もなしに誇張しして報道したことによる。
日本のテレビ局は10日、中国の黄砂を特集して放送した。
共同通信社は、中国では黄砂だけでなく微粒子のPM10が世界保健機関(WHO)の基準の35倍に達したと報じた。
読売新聞は同日付けで、日本の環境省も黄砂とともにPM2.5が飛来する可能性があると考えていると報じた。
日本の気象庁は直ちに
「この現象は寒冷な気温が風を巻き起こし、地上の土ぼこりを巻き上げて発生させたもので、中国からの黄砂は観測されていない」
と発表した。
現在のところ、日本の気象庁は黄砂警報を出しておらず、発表している黄砂の飛来予想図をみても、大量の黄砂が侵入した形跡はない。
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■メディアが煽ったのか、対中不信感が先だったのか
上記記事の主張の核心は、
「日本のメディアが中国に対して悪意に満ちた報道をしている」
ということだ。
たしかに、日本で発生した「煙霧現象」を「中国のせい」と言われたのでは、中国人として腹立たしいだろう。
しかし、多くの日本人がメディアのせいで誤解したという論法は、違うのではなかろうか。
筆者もちょうど外出していた。
わずか数分で天候が激変した。
スーパーの前に集まっていた人は「すごい天気だねえ」と驚き、黄色く濁った空を見上げて
「中国から飛んできたのかねえ」
と言っていた。
中国から黄砂が飛来するのは、今に始まったことではない。
しかも最近は、あたりが土ぼこりっぽくなるだけではなく、「汚染物質と共に飛来」との不安が高まっている。
特に今年になってからは、中国で全国規模で発生しているPM2.5による大気汚染の日本への影響が懸念されている。
どんよりと黄色に染まった空をみて
「中国の影響ではないか。汚染物質が飛んでくるのではないか」
と考えるのは、なにもメディアが「煽(あお)った」からではない。
日本の民衆の素朴な恐怖心だ。
■大気汚染で「日本も中国も同様の問題に遭遇」…?
記事が
「隣国の日本も同様の問題に遭遇した」
とさりげなく論じている点も首肯しかねる。
日本において、中国ほど大規模な“黄砂”は発生していない。
考えてみれば、黄砂現象については国土の大きさや気象条件の違いもあるから、10日の「煙霧現象」をもって、「中国と同様の問題」と言うのは、それほど的外れとは言えないかもしれない。
強風により土ぼこりが舞い上げられるという構図は同じだからだ。
ただ、「スモッグ」となると、話が本質的に違うのではないか。
日本でも夏場には光化学スモッグが発生することもあり、大気汚染について「完全に解決した」とは言いがたい。
しかし、国土の広い範囲で極端な汚染が発生している中国とは状況が違う。
中国には、日本は環境問題を克服した先進国との評価がある。
「中国も日本も同様」という論調からは、
「あの日本でも同様の現象は起きていますよ」
と、自国民を“なぐさめる”、あるいは“あきらめさせる”ような雰囲気すら感じてしまう。
首都圏で発生した10日の「煙霧現象」について、確かに日本で中国から飛来する黄砂との関係を“連想”させるような「フライング気味」の報道があったのは事実だ。
だが、多くのメディアは「煙霧現象」、「中国から飛来したものではない」と報じた。
むしろツイッターなどで「黄砂が凄い」などの“つぶやき”が飛び交った。
黄砂でないとする報道に対してむしろ
「マスコミは(中国からの)黄砂を認めない」、
「隠蔽(いんぺい)している」
とする憶測の書き込みが相次いだほどだ。
■事実誤認で新幹線を“噴飯ホメ殺し”
記事を読むと、細かい部分でもおかしな記述があることが分かる。
「新幹線が25分遅れた」、
「運行を開始して以来、最もひどい遅れ」
と紹介したことだ。
「新幹線の運行は正確無比」との先入観があったのかもしれない。
高く評価してくれることはありがたいが、新幹線とて天候の影響などで「25分以上」、あるいはそれ以上大幅に遅れることはある。
これでは“噴飯もののホメ殺し”だ。
さらに10日、日本が中国からの黄砂と「無縁」だったわけではない。
福岡県など西日本では、中国からの黄砂が観測された。
また、気象庁の発表によると、同日東日本では「地表付近の黄砂の濃度」は低い状態だったが、「大気中の黄砂の総量」については、全国的に多い状態だった。
中国ではしばしば、
「日本では、メディアが煽り立てるので対中感情が悪い」
との論調が見られることがある。
たしかに、中国に対して「悪意」あるいは「意地悪さ」を感じる報道もある。
ただし、自国に対して都合が悪い、あるいは不愉快な出来事が日本で大きく報道された場合に、
「日本のメディアの姿勢が問題」
とことさらに強調するようでは、
「自分たちは一切悪くない」と主張しているようにも思え、
かえって日本人の中国に対する不信感が高まることになる。
「それでもよい」と言うなら、話は別だが。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年3月11日 17時3分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=70207&type=0
東京の黄砂は中国から襲来?
日本気象庁は否定―中国メディア
2013年3月11日、環球時報によると、深刻なスモッグや粉塵に悩まされている中国と同様の問題が、日本でも発生した。
10日、東京に突然猛烈な風が吹き荒れ、地面から舞い上げられた細粒物質によって、都内は煙霧に包まれた。
日本の各メディアは、この煙霧は中国から飛来した黄砂が原因との見方を示した。
だが、日本の気象庁はこの見解を否定した。
NHKは10日、同日午後、東京で猛烈な北風が吹き始め、地面の細粒物質が空中に舞い上げられ、黄色の煙塵が渦巻くように空一面を覆ったと報じた。
千葉県で車を運転していた環球時報記者は、空全体が黄色になり、田畑の上空に塵旋風が舞う様子を目撃した。
日本テレビの報道によると、このような異常気象の影響で、新幹線は徐行運転を行い、25分の遅れが生じたという。
また、一部空港でも、他の空港に目的地を変更したケースが生じた。
煙霧がピークに達した時の東京市街地では、200メートル先の高層ビルがはっきり見えない状況だったという。
突然起きた日本の異常気象について、多くの日本人はこの黄砂が中国から飛来してきたものであると思い込んだ。
このような誤解は主に日本の各メディアの根拠のない報道によって生じた。
テレビ朝日は10日、中国からの黄砂の飛来に関する特集を組み、中国から飛来する黄砂の危害について専門家に分析させた。
共同通信の報道によると、中国から飛来する黄砂に含まれる有害粒子状物質PM10は、世界保健機関(WHO)基準の35倍を上回る。
読売新聞は同日、九州から甲信地方にかけての広い範囲で、中国大陸からの偏西風に乗って飛来した黄砂が観測されたと報じた。
日本環境省も、黄砂の飛来に伴いPM2.5も飛んでくるだろうとの見解を示した。
しかし、日本気象庁は、
「今回発生した煙霧は、寒冷前線の接近に伴って、東京では空気が対流して地表付近の塵などが巻き上げられて起こった現象であり、中国からの黄砂ではない」
と発表した。
気象庁は、国民の健康について配慮し、黄砂飛来観測情報や到達予測をサイト上に公開している。
また、気象庁と環境省は合同で、「黄砂情報提供ホームページ」を立ち上げた。
気象庁によると、全国で黄砂が観測され、飛来が続くようならば、天気予報以外に、黄砂専門の気象情報を発表する方針という。
しかし、現時点で気象庁は黄砂警報を発表していない。
また、気象庁が発表した黄砂飛来観測情報でも、大量の黄砂が日本に飛来している様子はない。
(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/TF)
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